踊り念仏について・・・

当山では宗祖・一遍上人が念仏の教えを広めるために行われた「踊り念仏」を復興・継承いたしております。中四国地方において踊念仏を継承しております時宗寺院は当山だけで、各行事にて行われております。

踊念仏の復興

踊念仏は一遍上人以来、時宗の象徴でありましたが、宗派の盛衰の波にもまれて多くの時宗寺院が継承していくのが困難になってしまいました。当山もしばらく踊念仏を行っていない状態が続きましたが、昭和48年に時宗総本山 遊行寺および民間で踊念仏を継承している山梨県・跡部の踊り念仏などの関係者のご協力により、復興される運びとなりました。以後、当山では各行事で行われていくと共に、全国的にも少なくなっていたということで、各地の時宗寺院に赴いて踊念仏を披露・奉納いたしてきました。

 

 

踊念仏の踊り手の不足・・・

一時期は多数の檀信徒の方々が積極的に踊念仏に協力して下さいましたが、高齢化によって踊り手が段々と減って行く事になりました。近年では、踊り手の平均年齢が70歳を越えてしまい、このままでは復興・継承してきた踊念仏の火が再び消えそうになるという危機を迎えています。

 

 

地域学との連帯による「踊念仏継承プロジェクト」

上記の通り、高齢化に伴って担い手が減って危機を迎えておりましたが、2008年に同じく尾道にあります時宗寺院を尾道の地域学である「尾道学研究会」の有志が注目され、同じく尾道にあります常称寺での企画「祇園さんの里帰り」で同寺に現在は厳島神社に合祀されている祇園社の御神輿三体が行幸されました。

その際に、尾道は全国でも珍しい時宗寺院の密集地である事と尾道が時宗文化を体感できる場所である事にも注目が集まりました。そこで当山が尾道学研究会事務局様に踊念仏の継承者育成計画を含めた「尾道時宗」についての調査・広報を要請致しました。

そして尾道学研究会様から快諾いただき、以降同研究会の有志の方々による積極的な尾道時宗寺院やその文化への調査や研究、発展にご協力をいただいております。特に当山では後継者不足で困っていた踊念仏の新しい踊り手の募集に協力をいただき、再び継承への道が開けてまいりました。

 

<下の写真>

踊り念仏にはいくつかの流派があります。一遍上人の「時衆流」の踊り念仏の他に、平安時代の念仏僧・空也上人の「空也流念仏踊」と、一遍よりも前に「時衆」と称していた浄土宗の遊行僧・一向俊聖(いっこう・しゅんじょう)上人が遺した「一向流踊り念仏」とがあります。時衆流の踊念仏は山梨県、空也流は福島県、一向流は山形県に残されております(写真は栃木県で再現されたものです)。

踊念仏に協力してくださる方を募集しています。

当山ならびに尾道学研究会「尾道時宗プロジェクト」は引き続き踊念仏に協力してくださる方を募集しております。見学だけでも構いませんのでお気楽に当山までご連絡ください(掲示板に書き込んで下さっても結構です)。

 

 

 

※募集に関するお知らせ※

当山の「踊り念仏」は定期的に行われる法要において奉納される恒例行事です。奉納が決まっている法要には必ず参加していただく必要がありますので、踊念仏のメンバー参加御希望の方は尾道近郊に在住の方で、必ず当山行事にご参加が可能な方にお願いいたしたいと思います。ご理解の程、よろしくお願いいたします。

 

※見学は自由です。